サステナビリティ方針~持続可能な環境への貢献~
運用物件の環境性能の向上という社会的使命に応え、エネルギー消費、CO2排出、水消費、廃棄物排出など運用物件が環境へ与える影響の継続的削減や有害物質の削減・適切な管理を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可能性に貢献します。
環境方針と外部評価
環境方針
ケネディクス不動産投資顧問株式会社では、各投資法人と以下の環境方針を制定し、環境に配慮した投資運用を行っています。ケネディクス不動産投資顧問株式会社はパリ協定で定められた国際目標を支持し、気候変動の緩和・適応に貢献する取組みを継続的に推進するとともに、資源を効率良く使用していくことによる循環型社会の形成にも寄与します。
- 1. 環境法令・規則の遵守
- 環境関連法令・規則を遵守し、環境に配慮した投資運用を推進します。
- 2. 省エネルギー対策の推進
- 資源やエネルギーの重要性を意識し、運用する不動産において省エネルギー対策の計画的な取組みを推進します。
- 3. 環境負荷の低減
- 環境に与える負荷の低減を意識し、運用する不動産において GHG(温室効果ガス)排出量削減、水消費量削減、廃棄物削減、リサイクル推進等の対策に取組みます。また、有害物質や環境汚染物質の取り扱いに十分注意します。
- 4. ネットゼロへの挑戦
- GHG 排出のネットゼロ実現に向け、GHG 排出量削減の長期的な目標を設置し、社内外と連携することでその達成を目指します。
- 5. 環境情報の公開
- 投資主、テナント、取引先等の様々な関係者に対し、環境方針や環境への取組み状況などの必要な情報開示に努めます。
- 6. 環境教育・啓発活動
- 社内における環境教育・啓発活動により、当社役職員の環境意識の向上に努めます。
外部認証の取得
各投資法人では、外部コンサルタント等のサポートも受けながら、保有物件の環境・省エネ対応やエネルギー利用の効率化に継続して取り組むと共に、引き続きサステナビリティへの取組みを強力に推進するため、以下のような外部評価機関による認証・評価制度を積極的に取得しています。
外部認証取得実績
外部認証取得実績(KDX不動産投資法人)
物件数 | 延床面積(m2) | 比率(%)(注2) | |
---|---|---|---|
環境認証取得ビル(注1) | 104 | 1,350,511.33 | 58.9 |
CASBEE不動産評価 | 68 | 769,931.48 | 33.6 |
BELS評価 | 8 | 123,598.73 | 5.4 |
DBJ Green Building認証 | 44 | 648,860.20 | 28.3 |
ResReal | 3 | 35,601.23 | 1.6 |
(注1)1棟のビルが複数の環境認証・評価を取得している場合は、1棟としてカウントしています。
(注2)投資法人保有物件の総床面積(2,294,498.68m2)(区分所有建物等は持分比率で按分)に対する各床面積の割合です。
環境認証の取得状況(ケネディクス・プライベート投資法人)
物件数 | 認証床面積(m2) | 比率(%)(注) | |
---|---|---|---|
環境認証取得物件(注1) | 5 | 138,937.52 | 37.9 |
CASBEE不動産評価認証 | 4 | 91,372.82 | 24.9 |
DBJ Green Building認証 | 1 | 47,564.70 | 13.0 |
(注) 認証床面積の比率は本投資法人保有物件の総床面積(区分所有及び共有物件は持分比率等で按分)に対する各床面積の割合です。
CASBEE不動産評価
CASBEEとは国土交通省が主導して開発された建築物の環境性能評価システムで、建築物それ自体の環境品質・性能に関する評価と、建築物の外部に対する環境負荷に関する評価の両面から総合的な環境性能の評価を行う制度です。
BELS評価
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度:Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)は、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」における省エネ性能の表示の努力義務に対応した、住宅・建築物を格付けする第三者認証制度です。
国が定める建築物エネルギー消費性能基準に基づく一次エネルギー消費量から算出されるBEI(Building Energy Index)の値によって評価され、評価結果は星の数(1つ~5つ)により表示されます。
KDX不動産投資法人は、2014年にJ-REITが運用する物件として初めてBELS評価を取得しました。
DBJ Green Building認証
環境・社会への配慮がなされた不動産(“Green Building”)を支援するために、2011年4月に株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が創設した認証制度です。対象物件の環境性能に加えて、防災やコミュニティへの配慮等を含む様々なステークホルダーへの対応を含めた総合的な評価に基づき、社会・経済に求められる不動産を評価・認証し、その取組みを支援するものです。
なお、認証における評価ランクとしては、「five stars」、「four stars」、「three stars」、「two stars」及び「one star」の5段階があります。
KDX不動産投資法人は、2011年にJ-REITが運用する物件として初めてDBJ Green Building認証を取得しました。
不動産レジリエンス認証ResReal
ResRealは、一般財団法人日本不動産研究所によって認証される、自然災害に対する不動産のレジリエンス(強さやしなやかさ、回復力、抵抗力)を定量化・可視化するために、物件の「頑強性(立地・建物)」「冗長性」「即応性」「代替性」を評価する国内初の認証制度です。
ResReal水害版は、対象不動産の水害に対するレジリエンスを100点満点で数値化し、そのスコアに応じてPlatinum(レジリエンスが極めて高い)からStandard(レジリエンスが一般的)までの5段階のグレードで評価されます。
KDX不動産投資法人は、2023年にJ-REITが運用する物件として初めてResReal水害版を取得しました。
エネルギー消費量・CO2排出量の削減(気候変動への取組み)
基本的な考え方
気候変動の主な要因となる地球温暖化は、これまでも重要な環境課題として議論がなされてきており、近年では1997年に採択された京都議定書以来18年振りの国際的な気候変動関連の枠組みとなる「パリ協定」が2015年のCOP21において採択されています。「パリ協定」においては、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃より十分低く保ち1.5℃以下に抑える努力をすることが主な目的として掲げられました。また、2021年のCOP26においては、グラスゴー気候合意として世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える努力を追求することが確認されました。昨今の異常気象の増加等に鑑みますと、このような気候変動の緩和・適応や再生可能エネルギーの導入は当社グループの事業活動や運用物件にとっても重要な課題であると認識しています。
当社は「エネルギー消費量・CO2排出量の削減」をマテリアリティの一つとして認識しており、当社の事業活動や運用物件によるエネルギー消費、CO2排出の継続的削減を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可能性に貢献します。
TCFD提言への賛同
ケネディクス不動産投資顧問株式会社は、2021年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、国内賛同企業による組織である「TCFD コンソーシアム」へ加入しました。
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)とは、G20 の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された国際イニシアティブです。TCFD は、企業等に対し、気候変動関連リスク及び機会に対する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示することを推奨する提言を公表しています。
また、TCFD コンソーシアムとは、TCFD 賛同企業や金融機関等が一体となって取組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組みについて議論することを目的として設立された組織です。
KDX不動産投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人並びにケネディクス不動産投資顧問株式会社では、TCFD に基づく情報開示の拡充に取組み、引き続き ESG への取組みを積極的に推進していきます。
気候変動に係る指標と目標
当社がメインスポンサーとして運用に関わる2つのREITは、それぞれGHG排出量の中長期的な削減を通じて、環境負荷の低減を積極的に推し進め、環境面での持続可能性に貢献するべく、GHG排出量の削減目標を設定しています。
環境負荷低減への取組み
当社は運用物件のエネルギー消費やCO2排出の削減を通じて、気候変動の問題に取り組みます。運用物件の用途や運用ファンドの運用期間、投資家等によって取組みの幅は異なりますが、各投資法人では様々な取組みを行っています。
KDX不動産投資法人の取組み
各種照明器具のLED化
保有物件の共用部・貸室等の一般的な照明器具及び非常用照明器具(誘導灯や非常灯)をLED化することにより、電気使用量及び電球交換コストの削減を積極的に推進しています。
太陽光パネルの設置
保有物件に太陽光パネルを設置し、発電した電力を自家消費(一部物件においては外部への売電)することでGHG排出量を削減しています。
ロードヒーティングの遠隔監視
札幌所在の3物件において、ロードヒーティング(融雪設備)の遠隔監視システムを導入しています。システムを導入した結果、融雪のための燃料コストが大幅に削減されました。
宅配ボックスの設置
宅配ボックスの設置により、荷物の再配達を減らし、運搬時のGHG削減やドライバーの労働損失の削減に貢献しました。
ケネディクス・プライベート投資法人の取組み
LED照明の導入
省エネルギー対策として保有物件にLED照明を導入することにより、電球交換コスト及び電気使用量の削減を推進しています。また、温室効果ガスの発生にも配慮し、より環境にやさしい施設運営を目指します。
第8回ヨコハマ温暖化対策賞
横浜市では、温室効果ガス排出量の大幅な削減など顕著な実績をあげた企業を「ヨコハマ温暖化対策賞」として表彰しており、第8回目となる本賞においては、令和3年度に報告書の提出があった全310者の中から6者が表彰されました。三菱重工横浜ビルを共同運用する合同会社YMMインベストメントがビルを代表して報告書を提出しており、6者のうちの1者として本賞を受賞しました。
合同会社YMMインベストメントは三菱重工横浜ビルの一部持分を投資対象としたコアファンドのSPCでケネディクス・インベストメント・パートナーズ株式会社がアセットマネジメント業務を受託しています。三菱重工横浜ビルは、KDX不動産投資法人、ケネディクス・プライベート投資法人及びYMMインベストメントにより2018年から共同運用されています。
グリーンビルディングに関する従業員教育
グリーンビルディングに関する知識向上のため、年1回外部講師を招いて従業員向けのサステナビリティ研修を実施しています。
グリーンファイナンス
当社、KDX不動産投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人は、グリーンファイナンスの活用により、サステナビリティへの取組みを一層強化すると共に、ESG投資に積極的な投資家層への投融資機会の提供により、国内市場の発展に寄与したいと考えています。
グリーンファイナンスとは?
企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクト(環境問題の解決に貢献する事業)に要する資金を調達するために発行する債券(グリーンボンド)や借入れ(グリーンローン)をグリーンファイナンスと呼びます。グリーンファイナンスの主な特徴として、調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定されること、調達資金が追跡管理されること、また、調達資金の充当状況等の開示を通じて透明性が確保されることがあげられます。
再生可能エネルギー電力普及への取組み
当社は、太陽光発電所を主な投資対象とし、全国の再生可能エネルギー発電所へ投資を行うファンドを設立・運用しています。豊富な私募ファンド、ファイナンスアレンジの実績とノウハウを活かしたアセットマネジメントサービスの提供を行っています。
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|
再生可能エネルギー 発電施設数(注) |
23 | 23 | 34 | 47 |
再生可能エネルギー 設備出力容量 (MW)(注) |
155.7 | 155.7 | 161.4 | 170.4 |
(注)「再生可能エネルギー発電施設数」「再生可能エネルギー設備出力容量」は、各年12月末時点においてケネディクス・インベストメント・パートナーズ株式会社が運用を受託しているファンドが運用及び開発を行っている施設数の合計及び当該施設による出力容量の合計をそれぞれ記載しています。
グループREITが運用する不動産の100%再エネ化
当社は、ケネディクスグループにおけるカーボンニュートラルの実現に向け、グループで運用する不動産で消費する電力を100%再生可能エネルギーに切替え、CO2削減に貢献することを目的に、グループにおける脱炭素経営の一環として、当社の100%子会社である、ケネディクス・グリーンエナジー株式会社(KGE)を2023年6月5日付で設立しました。KGEは、電気事業法に規定される小売電気事業の取次販売を主な業務とし、2025年度中にグループREITが保有する不動産の消費電力を100%再エネ化することを当面の目標としています。
KGEが発電事業者を開拓し、長期のPPA契約(Power Purchase Agreement=電力供給契約)を締結することで、安定した再エネ電力を調達し、グループREITが保有する不動産に再エネ電力切替の提案を行い、ライセンスを有する小売電気事業者を通じて、再エネ電力を提供します。
本事業を推進することで、グループREITのGHG排出量削減目標「ネットゼロ」の実現に貢献するとともに、ケネディクスグループの掲げる「持続可能な環境への貢献」を目指してまいります。
(注)PPAとは、Power Purchase Agreementの略称で、企業や自治体などが発電事業者から再生可能エネルギー由来の電力を購入する契約を表します。
賃貸戸建住宅「Kolet」への太陽光パネル設置
当社は、東京電力エナジーパートナー株式会社(東電EP)、並びに、株式会社PinT(ピント)とともに、ケネディクスが運用する賃貸戸建住宅「Kolet(コレット)」の屋根に太陽光発電システムを設置し、需要家の敷地内にて発電業者が発電設備を設ける「オンサイトPPA/TPO(注)」モデルによる、再生可能エネルギー由来電力を直接供給するスキームの運用を開始しています。
本スキームにおいて、東電EPは「Kolet」の屋根上に太陽光発電システムを建設し、発電事業を運営します。「Kolet」入居者の自家使用分については、太陽光発電システムから直接電力を供給し、「Kolet」入居者の需要を超過した余剰電力については商用系統を通じて売電することにより、再生可能エネルギー由来の電力を供給します。
PinTは「Kolet」入居者の自家使用分についての電気料金請求業務を東電EPから受託し、既に同社が「Kolet」全戸に供給している実質再生可能エネルギー100%電力とまとめて「Kolet」入居者向けに請求する体制を構築することにより「Kolet」事業における電力供給スキームの一元的な運用サービスを提供します。
(注)PPA/TPO とは、太陽光発電の事業者が自己資金、もしくは投資家を募って資金を集め太陽光発電所を開設し、再生可能エネルギー由来の電気を購入したい需要家と電力購入契約(Power Purchase Agreement:PPA)を結んで発電した電気を供給する仕組みであり、需要家以外の第三者が発電設備を保有することから第三者保有モデル(Third Party Ownership:TPO)と呼ばれています。
水消費量・廃棄物量の削減
基本的な考え方
気候変動や人口の増加等から、水資源の確保は世界的な課題となっています。現在の日本において水不足は目の前の大きな危機として認識されてはいませんが、世界規模での水消費の動向等に鑑みると、水資源の確保は我々にとっても避けることのできない課題であると認識しています。
また、日本においては、3R(Reduce, Reuse and Recycle)の取組みの推進や国民の意識の向上等により適正な廃棄物処理と資源の有効活用等が進み、大量消費社会から循環型社会形成に向けた取組みは着実に進展してきました。しかし、世界規模で資源制約が強まる中で、廃棄物削減については量のみならず質の面からもより一層の取組み推進が求められています。
当社は不動産アセットマネジメント会社として仕事や生活の場となる多くの不動産を運用していることから、不動産を通じて排出される水消費や廃棄物の削減に率先して取り組むべき義務があると認識しています。
当社は「水消費量・廃棄物量の削減」をマテリアリティの一つとして認識しており、当社の事業活動や運用物件からの水消費や廃棄物の継続的削減や、有害物質の削減・適切な管理を通じて環境負荷を低減し、環境面での持続可能性に貢献します。
水消費量削減への取組み
節水への取組み
保有物件おいて節水機能付きトイレの導入、雨水タンクの設置を行うことで水使用量の削減に取り組んでいます。
横浜コネクトスクエアにおけるレインガーデン
当社は、横浜みなとみらい中央地区37街区にてパートナー企業との協業体制のもと大規模開発プロジェクトを推進しています。本プロジェクトでは降雨時に雨水を一次貯留し、徐々に浸透させることで地下水を涵養。下水道負荷の軽減とともに、水質浄化を図るガーデンで、天候や季節によって景観が変化します。
廃棄物量削減への取組み
廃棄物の削減や分別の徹底
運用物件の管理会社様と協力し、オフィスビルや商業施設のテナント様や居住用施設のご入居者様等に、廃棄物の削減や分別の徹底についてご協力頂けるよう周知しています。
有害物質や土壌汚染等への適切な対応
ケネディクスグループでは、物件取得等にあたりエンジニアリング・レポート(建築物、設備等及び環境の専門的知識を有する者が行った不動産の状況に関する調査報告書)や地震PML評価の取得、土壌汚染調査等を実施し、物件の法的適合性等を確認しています。
エンジニアリング・レポートではアスベスト、PCB、フロン類といった有害物質の有無についても確認を行い、その存在が確認された場合は、それぞれ法令に則って適切な対策・管理・処理等の対応を実施しています。
また、土壌汚染調査により土壌汚染が確認された場合は、土壌改良等により汚染土壌を浄化したうえで物件を取得しています。
横浜コネクトスクエアにおける土壌汚染への対応
当社は、横浜みなとみらい中央地区37街区にてパートナー企業との協業体制のもと大規模開発プロジェクトを完工しました。本プロジェクトでは約10億円を拠出し、汚染土を除去し遮水壁を設ける等の土壌汚染への適切な対策を実施しています。
環境配慮のためのテナントとの協働
基本的な考え方
当社は運用物件の環境性能の向上等を通じて持続可能な環境への貢献に取り組んでいますが、日常的に物件を利用されるテナントの皆様のご理解ご協力も重要であると考えています。当社はテナント様への啓発活動やグリーンリースへの切り替えの働きかけ等を通じて、持続可能な環境のための協働を目指しています。
当社は「環境配慮のためのテナントとの協働」をマテリアリティの一つとして認識しており、ステークホルダーであるテナント様との協働をより積極的に推進するとともに、実際に物件管理を行うプロパティマネジメント会社様や物件運用を担うケネディクスグループの社員といった他のステークホルダーとの連携も図りながら、環境面での持続可能性に貢献します。
テナント様との協働に向けた取組み
グリーンリース契約の締結
KDX不動産投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人では、一部テナントとの間でグリーンリース契約を締結し、テナント専有室内照明のLED化工事を投資法人の費用負担で実施する一方で、圧縮されたテナント負担の電気消費量及びメンテナンスコスト(蛍光灯交換費用)の低減額の一定割合をグリーンリースフィーとして投資法人が収受しています。
グリーンリース契約とは?
オーナーとテナント様が環境負荷を低減するため協働することを盛り込んだ賃貸借契約です。省エネ改修工事の経済メリットを双方が分かち合うことで、オーナーの投資負担を軽減し、環境性能に優れた建物への改修を促す取り決めや、省エネ・節水・室内環境の改善に向けた運用改善に関する合意などがあります。
環境社会配慮条項を盛り込んだ賃貸借契約書の導入
KDX不動産投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人では、省エネ・環境社会配慮等の観点から、環境パフォーマンス・快適性・生産性の維持及び向上の理念を共有し、これらの施策に賃貸人・テナント相互に協力する旨の環境社会配慮条項を賃貸借契約書に盛り込むことを推進しています。
プロパティマネジメント会社様との協働
プロパティマネジメント会社様との間でサステナビリティ方針等、持続可能な環境社会への貢献に関する投資法人の考えを共有し、新規に賃貸借契約書を締結する際には、プロパティマネジメント会社様を通じてテナント様へも投資法人の理念を説明し、省エネなどへの取組みに対するテナント様の協力をお願いしています。
生物多様性
基本的な考え方
生物多様性の確保と不動産による都市化とは一般的にトレードオフの関係性となることから、当社が行う不動産アセットマネジメントにおいては生物多様性を破壊しないよう十分な配慮を行う必要があると認識しています。生物多様性の確保は気候変動対策としても資するほか、テナント様、ご入居者様や地域の皆様にとっても過ごしやすい環境を提供することができます。
緑化の推進
エントランスへの植栽設置といった取組みから敷地内緑化や屋上緑化まで、様々な緑化の推進にも取り組んでいます。特に商業施設における屋上緑化では、熱環境改善等の物理的な環境改善効果に加え、施設利用者への癒し効果を促し、憩いの場を提供しています。
生物多様性への配慮
横浜コネクトスクエアにおけるバードバス
当社が開発に携わり2023年1月に竣工した横浜コネクトスクエアでは、野鳥の水飲み、水浴び場となるバードバスを設置しています。
ABINC認証
当社は、共同事業者として開発に携わった「日比谷パークフロント」に本社を設置しています。「日比谷パークフロント」は、生物多様性保全に取り組むオフィスビルとして、ABINC(一般社団法人いきもの共生事業推進協議会)の「ABINC認証(いきもの共生事業所認証)[都市・SC版]」を取得しています。
関連データ
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
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再生可能エネルギー 発電施設数(注) |
23 | 23 | 34 | 47 |
再生可能エネルギー 設備出力容量 (MW)(注) |
155.7 | 155.7 | 161.4 | 170.4 |
環境関連法規制 違反・事故 |
0 | 0 | 0 | 0 |
(注)「再生可能エネルギー発電施設数」「再生可能エネルギー設備出力容量」は、各年12月末時点においてケネディクス・インベストメント・パートナーズ株式会社が運用を受託しているファンドが運用及び開発を行っている施設数の合計及び当該施設による出力容量の合計をそれぞれ記載しています。