サステナビリティ方針~多様な社会への貢献~
運用物件が社会へ与える影響を考慮し、多様な社会の実現に貢献します。テナントや地域コミュニティの安全・安心、健康と快適性、多様性の確保等に努めます。
環境や社会に配慮した不動産の提供
基本的な考え方
当社は「環境や社会に配慮した不動産の提供」をマテリアリティの一つとして認識しており、多様な物件への投資運用を通じて社会全体の環境負荷の軽減や利便性の向上等に貢献しています。
REITを通じた多様な物件への投資
当社がメインスポンサーとして運用に関わる2つのREITは、いずれも多様な投資対象セクターへの投資運用を行っています。各用途の特性に沿った専門的な運用により、透明性の高いアセットマネジメントを実現しています。
REITは長期間にわたる不動産の保有運用を前提としていることから、それぞれのREITが環境や社会に配慮した中長期的な投資運用を行うことで、まちの賑わい創出や生活利便性の向上、快適な職場環境、安心して暮らすことのできる住まいの提供といった様々な側面で環境や社会に貢献しています。
複合用途物件への投資運用
当社は、運用ファンド等を通じて大規模な複合用途物件への投資運用も行っています。また、KDX不動産投資法人及びケネディクス・プライベート投資法人は、「低層階に商業テナントを配したオフィスビルや居住用施設、等」「商業テナントや医療モール等が集積する駅直結の物件」といった大規模な複合用途物件への投資運用も行っています。公開空地の活用や様々な用途の提供により、テナント様やご入居者様のみならず地域コミュニティの皆様にも貢献しています。
既存物件への柔軟かつ機動的な対応
当社は、不動産マーケットから取得した竣工済物件について、不動産証券化の黎明期より培ったノウハウによりこれら不動産のポテンシャルを見極め、トレンドを捉えタイミングを逃さない柔軟かつ機動的な対応を行うことで、不動産の持つ可能性を最大限に顕在化しています。
都市再生型開発案件への取組み
当社は、不動産関連投資の一環として、開発ファンド等を通じて都市再生型開発案件に取り組んでいます。
環境不動産普及促進機構との協働
東京都港区六本木におけるホテル再開発プロジェクトに取り組み、都市型ホテルの開発とともに運用を受託しています。本プロジェクトは、耐震・環境性能を有する良質な不動産の形成促進を行う環境不動産普及促進機構(Re-Seed機構)との協働案件であり、高い環境性能を有する良質な不動産への建替えを行う都市再生型開発案件となりました。また、当社は不動産特定共同事業者としての許可を取得しており、不動産特定共同事業の特例事業のスキームによる開発案件としても先進的な取組みとなりました。
建物建替えにおける地下躯体の再利用
東京都千代田区における新生銀行旧本店ビル跡地再開発プロジェクトや東京都港区六本木及び東京都中央区銀座におけるホテル再開発プロジェクト等においては、既存建物の地下躯体を解体・撤去した際に生じる廃棄物や廃棄コスト等を総合的に勘案し、安全性等を確認したうえで既存建物の地下躯体を再利用しています。
マンション敷地売却制度と不動産証券化を活用した老朽化マンションの再開発
今後、老朽化や管理組合の担い手不足が顕著な高経年マンションが急増することが見込まれており、老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取組の強化が喫緊の課題とされています。
このような中、当社はマンション建替え等の円滑化に関する法律に基づく「マンション敷地売却制度」と不動産証券化スキームを活用し、築50年が経過した吉祥寺駅前の旧耐震基準マンションを解体したうえでオフィスビル開発を行っています。本プロジェクトは、既存建物の区分買収にあたり、証券化スキームを活用しファンドを組成した国内初の取組みとなります。本プロジェクトを対象としたノンリコースローンを調達し費用の課題を解決するとともに、優良な投資家を招聘することで本プロジェクトを実現しました。
既存物件の敷地内増築
KDX不動産投資法人は、ロゼオ水戸においてリサイクルショップ棟を、ウニクス伊奈において飲食店棟(2棟)を、横浜上郷配送センターにおいて飲食店棟及び休憩室棟をそれぞれ増築しています。都市再開発を通じて物件の価値向上に努めています。
前橋版生涯活躍のまち(CCRC)事業物件への投資
CCRC(Continuing Care Retirement Community)とはもともと米国で発祥した概念ですが、日本でも生活の中で健康寿命を延ばすとともに、地方創生としての環境整備を目指すものとして「日本版CCRC」が考案されました。
ケネディクス・プライベート投資法人はCCRC事業を推進している地方都市に所在する商業施設を保有しており、同エリア内には、多世代型集合住宅や介護付き有料老人ホーム、認定こども園、公園に併設されたベーカリーカフェ&コミュニティスペース等が整備されています。
同エリアでは、周辺エリアの魅力向上を目的に活動する団体が組成されており、ケネディクス・プライベート投資法人は、同団体を通じて本商業施設のテナント及びその他会員と協力しながら、多様な人々と世代によるコミュニティの醸成を図ることで、地域の魅力向上及び関係人口創出に向けた取組みを進めています。
ソーシャルファイナンス
KDX不動産投資法人は、社会貢献度の高い資金使途に限定して調達される債券(ソーシャルボンド)の発行や借入れ(ソーシャルローン)を通じて、サステナビリティへの取組みを一層強化すると共に、ESG 投融資に積極的な投資家層への投資機会の提供及び金融機関との協業により、国内ソーシャルファイナンス市場の発展に寄与することを目指しています。2019年12月には、J-REITとして初めて総額20億円のソーシャルボンドを発行しています。
ソーシャルボンドとは?
ソーシャルボンドとは、調達資金の全てが、新規又は既存の適格なソーシャルプロジェクトの一部又は全部の初期投資又はリファイナンスのみに充当され、かつ、ソーシャルボンド原則の4つの核(1:調達資金の使途、2:プロジェクトの評価と選定のプロセス、3:調達資金の管理、4:レポーティング)となる要素に適合している債券のことをいいます。
不動産クラウドファンディングによる投資機会の提供
当社は、これまで一部の機関投資家様に限られていた非上場の不動産投資ファンドへの投資機会をより多くの皆様に提供できるよう、不動産クラウドファンディング事業「bitREALTY」を2019年1月より展開しています。インターネットを介して多様な不動産投資ファンドへご投資頂くことができる新時代のサービスを提供しており、これまでに宿泊施設や居住用施設、物流施設、ヘルスケア施設、保育施設、商業施設を対象とするファンドを組成し、累計約85億円の募集を完了しています。
不動産セキュリティ・トークンによる投資機会の提供
当社は、2021年8月に⽇本で初めて、デジタル証券を発⾏して資⾦調達を⾏う不動産セキュリティ・トークン・オファリング(不動産STO)を実⾏しました。不動産の特性である「分かりやすさ」・「安定性」と金融の効用である「小口化」・「売買流動性」を併せ持つ不動産セキュリティ・トークン(不動産ST)は、証券会社の口座を介して投資できる利便性に優れた不動産投資手法であり、幅広い投資家層の多様な投資ニーズに応え得る新たな投資商品と考えております。
大型不動産への投資機会
第三弾として 2022年8⽉に実施した、資産規模 146億円の物流施設を裏付け資産とした不動産STOは募集当時における日本最大規模の案件であり、TADSアワード2022において資産担保型トークン分野でのアワードを受賞しました。
また、2023年8月には、それを上回る資産規模300億円のタワーマンションを裏付け資産とした不動産STOを実行しています。
ODXによるセカンダリーでの投資機会
第九弾として2023年12月に実施した、資産規模約89億円のホテルを裏付け資産とした不動産STは、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社(ODX)が運営するセキュリティ・トークンの流通を企図した新取引システム「START」における第1号銘柄として取引が開始されました。
レジリエンス(災害等への適応力)の向上
基本的な考え方
当社は「レジリエンス(災害等への適応力)の向上」をマテリアリティの一つとして認識しており、テナント様、ご入居者様や地域コミュニティの皆様が安全・安心に過ごすことができるよう、非常災害等に備えた様々な取組みを行っています。
非常災害等に備えた取組み
防災用品の設置
非常災害時や停電・故障によるエレベーターの緊急停止時等に備えて、エレベーター内に非常用品収納ボックスを設置しています。
災害時対応マニュアルハンドブックの配布
大地震発生などの緊急時に備えて、持ち歩き可能なポケットサイズの災害時対応マニュアルハンドブックを作成しテナント様に配布しています。
大地震発生時の対応や応急救護の手順、AEDの使い方など緊急時に役立つ様々な情報をまとめて掲載しています。
災害救援自販機の設置
一部の物件において災害救援自販機を設置しています。災害等で停電になった際には、自販機内の商品を救援飲料として無料提供することが可能です。
耐震性能の確認
当社が投資運用する物件については、物件取得等にあたりエンジニアリング・レポート(建築物、設備等及び環境の専門的知識を有する者が行った不動産の状況に関する調査報告書)を取得し、物件の耐震性能を確認しています。耐震基準を満たしていないことが判明した物件については、原則として耐震補強工事等を実施したうえで物件取得を行います。
また、物件の取得時には、地震PML(Probable Maximum Loss)に係るレポートも取得し、地震による予想最大損失額のリスクを確認しています。
少子高齢化社会への対応
基本的な考え方
日本の総人口は2008年をピークに減少傾向に転じ、今後は更なる人口減少と少子高齢化の進展が見込まれています。日本は既に超高齢化社会に突入しており、ヘルスケア施設の不足は社会的課題であると認識しています。また一方で、女性の社会進出や保育士不足等に伴う都市部の待機児童問題も社会的課題であると認識しています。
当社は「少子高齢化社会への対応」をマテリアリティの一つとして認識しており、ヘルスケア施設や保育施設が併設された居住用施設、ヘルスケア施設への投資運用等を通じて少子高齢化社会への対応に取り組んでいます。
ヘルスケア施設の運用
KDX不動産投資法人は、今後ますます社会的ニーズの高まるヘルスケア施設の運用を行っており、ヘルスケア施設の買い手及び運用主体としての社会的ニーズにこたえることを目指しています。
ヘルスケア施設の取得にあたっては、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のみならず、J-REIT初の介護老人保健施設の取得を行う等、積極的な取組みを行っています。
オペレーターの経営理念や事業運営状況・施設運営状況等と、投資法人の投資理念や経営方針等を相互に理解し、家主とテナントの関係の域を超えたビジネスパートナーとしての信頼関係を構築し、オペレーターが抱える事業運営、施設運営に関する課題やニーズに対して最適なソリューションを提供することにより、共に成長を目指します。
バリアフリー対応
オフィスビルや商業施設等においては、誰もがストレスなく施設を利用できるようバリアフリー対応を実施しています。
関連データ
2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|
当社グループREITに おけるヘルスケア 施設の運用物件数 |
24 | 28 | 37 | 39 |
当社グループREITに おけるヘルスケア 施設のAUM(百万円) |
54,128 | 61,610 | 73,381 | 82,417 |